ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

変愚蛮怒

遅い。強力な幽体化のおかげであまり不便を感じなかったし手持ちの道具を燃やされたくなかったのだが、より早く動きたい。壁の中で戦闘中、祈祷で幽体化し加速していたのをかき消されたうえ魔力の嵐を2発も叩きつけられたとき、帰ったらナルヤをスピードリングに取り替えることが決まった。
(前略)街に帰還。そこらにいた街の人から生き血を拝借させてもらい栄養を補給する。私自身の種族が何であったのか、食物と他人の生き血から栄養を摂取し、横に伸びることができ、さらに噂によると単独で大気圏突入できる種族。どんな生物なんだろう俺は?…使用した杖類を充填しに町外れの充填所に通う。賢者の杖の充填費高い…1回分一万。しかし、恐るべき強敵を次々と奥義を出し惜しみせずに撃破していけるのはこの杖のおかげであるのでやむをえない出費。今日は俺が最終的に倒すべき奴…の対極に位置し奴より強力と噂されている角の生えた馬…を倒してきたのだ。俺のことを…最終ボスと反目しているくせに殺害しようと企む偽善の最たる奴だ。問題は奴を倒すには地獄の火の中に投げ込む以外に有効な手がないという噂だったのだが、俺は長きに渡る厚い信仰のおかげでそれを行うことが出来た。俺は奴に地獄の劫火をひたすら叩き込んだのだった。
(中略)いままで俺に散々煮え湯を飲ませつつもトドメを刺せなかったサウロンについにトドメを刺した。奴は安っぽい金メッキの指輪を落とした。奴が作り出したという恐るべきしかし強力な力の指輪…とは似ても似つかない粗悪品である。本物は、さっき俺が貴重なものをまとめて蓄えていた宝物庫に押し入ったときに拾ってしまっていた。これは恐ろしいオーラを感じる指輪だ。怖いのではめていない。
(中略)鉄獄99階に侵攻、そこを守っていた奴…十分に強大な敵であり、俺のことを「どこの影のだか知らんが取るに足らないの…」とかそんな意味の分からない事をほざいていたような気がする。詳しく意味を問いただす前に奴は俺の地獄の劫火であぶり倒されてしまった。奴は死ぬ直前に説明する代わりになにか恐ろしい呪いをかけてきた。嫌な予感がしたが周囲にもはや取るに足らない怪物が現れ、装備が呪われただけだった。なんだったんだろう?(中略)決戦はもうすぐだ。

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