ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

変愚蛮怒

【完全な世界を求めて】


走り跳び回る。さまよい走り跳び回る。反感をもたらす者の疾走。
自分の完全な世界へのパーツを求めて…
『フェアノール王の靴』が、奪い取った夢がいっぱい詰まってる箱*1から。
だが、かの者が探し求めているものはついに見つからなかったという。
代わりに「それに強烈なパワーを与えるかもしれないもの」をもう一つ拾ったが…何を思ったか嵌めているドラゴングローブに使用せず。


そして、かの者。倉庫をかき回し、ありったけの消耗品を集め、準備を整える。
この世界のラスボス、『混沌のサーペント』を倒すために
全ての災い、自分の生まれ持つ反感を与える能力も含め。その元凶だと。かの者はそう信じていた…
それに、自分の完全な世界をつくるために必要なこと…
願をかけて倉庫の隅に転がっていた突然変異の薬を飲む。幸運なことに魔力食いの変異がつく。


しばらくたって…かの者は帰ってきた。生きて。
あの強大なラスボスは、かの者がつくりだしたわずかな間の完全な世界にとりこまれてしまったのか…
…この世界のラスボスのシンボルを2つかかえている。ともかくもあのラスボス、混沌界の象徴は倒されてしまったのだ。
そう、かの者はついに、自分の完全な世界をつくるために、自分の生まれ持ったときよりもつ「全てのものに敵対する」を解くために。あの混沌界の象徴を破壊したのだ。
かの者、混沌界の象徴のシンボルを凡庸化して、「それに強烈なパワーを与えるかもしれないもの」を使用し、自分のシンボルとした。とてもお粗末な名前をつけたのはシンボルというもののくだらなさを主張したいのだろうか?


だが、かの者の生まれ持ったときよりもつ「全てのものに敵対する存在であること」は解けなかった。
そして、この混沌とした世界は相変わらずとくに変わったこともなく存在している。
変わったことといえば…いや列挙しなくていいだろう。もう十分だ。


かの者はひっそりとこの世界から引退した。
かの者がこの世界を去ってから、まわりの者は複雑な表情でかの者の偉業を称えることはした。


のちに、かの者の偉業…かの者が生まれ持ったときよりもつ呪われた性格を「背苦死胃画留」と呼ぶことにし、上記のさまざまな偉業をまとめたものを民明書房刊から本を出そうとしたという噂があるが、噂は反逆である。


<常時反感能力者(10)完>*2


最終戦突入前ダンプ

*勝利*ダンプ

*1:おもちゃのカンヅメ

*2:クター超能力者セクシーギャル、*勝利*