ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

変愚蛮怒

探索(中略)テルモラと呼ばれる町で闘技場というイベントが開催されていることを聞く。俺は興味がなかったが、ふと賞品が出ると言うことを聞き、賞品目当てで参加することにした。ルールは特定の相手1体をタイマンでアイテムを使わずに倒すというシンプルなもの。勝てば別の相手との挑戦権を得られ、負けると以後参加資格永久剥奪、だそうだ。
(中略)勢いで連続参加し、現在30連勝。ここまでの相手ははっきり言って俺の敵ではなかった。31戦目、鉄リッチ。なんなく切り倒す。32戦目、巨大なタイタン。殴られると非常に痛い相手だったが恐怖させて切り倒す。33戦目、巨大なバルログ。これはちょっと厳しかったがなんとかサーベルで切り刻んだ。34戦目、黒い影のような巨人。同じくサーベルで切り裂いた。そろそろ楽勝とは言えなくなってきたな。35戦目、シャンブラー…その名前を聞き、武器をミュルニールに取りかえる。奴の電撃は恐ろしく強烈なのだがミュルニールのお蔭で絶縁化され、難なく叩き倒した。36戦目、黒き略奪者、普段の探索で出会ったら俺は逃げる相手なんだけど…無敵化を祈願し、しばらくの切り合いののちなんとか勝利。
37戦目、鳳凰。奴の強烈な火炎のブレスは、俺がこないだから愛用しているナルヤとかいう指輪が無効化してくれるからいいとして、攻撃手段は…我が神の名の元に暗黒破壊究極奥義、地獄の劫火を放つ。祈りが通り、地獄の劫火が奴に直撃!奴は絶叫を上げる。効いてる!すかさず精神が持つか不安だったが第二弾三弾を撃ちこむと奴は絶え絶えになった。すかさず追いついて切り倒した。さて、ここでの賞品は幻の杖と言われる他では手に入らない賢者の杖だった。探索でよくMP切れに苛まされる俺は、これがここで賞品になっているという噂を聞いて参加したのだ。参加して良かった。
歓喜に浸りつつ38戦目、パワーワイアーム…勝てる気が全くしない…その凶悪さは普段の探索で見つけたら*破壊*するほどだ、しかし俺はこの無謀とも言える挑戦をあえて受けてしまった。まず向き合って無敵化祈願し、神の名によって授けられた招魂儀式を行う。奴は闘技場の端に吹っ飛んだ。少し休憩を取ろうと、逆サイドの端で奴を待ち構える。奴が来ない。奴は外敵認識範囲があまり広くなく、闘技場全体を把握できないのか?。おかげで心行くまで休んで、次元の扉という制御できるテレポートで奴の前に出て地獄の劫火を撃ちこみ、MPが切れたら逃げることを繰りかえす。なんとか勝てる…と思ったが突如俺の腹がグウと鳴った。このまま戦っていたらハラヘリで俺が先に倒れる!なんてこった。そういえば暗黒祈祷書には相手から栄養を奪うほうの吸血祈祷もあったはず…すかさず奴に向けて地獄の劫火のかわりにその祈祷を放つが跳ね返される。懲りずにハングリー精神をもって奴にその吸血祈祷を浴びせ掛けるとついに通り、俺の腹は満たされた。しかしうっかり奴から確実に離脱するためのMPを確保するのを忘れていた!無敵化が切れる!あわてて、離脱しようとするも奴がすかさず強烈なブレスを俺に向けて放出したのが見えた…
…気がつくと闘技場の入口に放り出されていた。俺は意気消沈したが、肉体がまだきっちりついているのを見て、神に生きていることを感謝しつつ、横にいた酔っ払いを腹いせに切り倒した。

<破壊僧Tの手記14> ダンプ