ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

Dungeon Crawl   


 その危険な植物は、獣の棲み家にまれに生える植物。
 獣の棲み家を侵攻中のホビットの装備品をホビットもろとも焦がしていく…
 盾がへたり、兜は錆び付き、少し良いローブは並の品と変わらなくなった。


理論上勝てない敵がおそらくいなくなった彼。
だが、生き残るためにはいくつか問題がある。その一つが防具である。
彼の防具は、ローブが(+2)の補正がついている程度で、あとはクローク、ブーツに兜、とりたてて特別な物は着けていない。
より攻撃を避けるために、攻撃や呪文の邪魔になる盾を構えているものの、鎧のたぐいは着けていない。
彼も鎧のたぐいを着けれなくはないのだが、重いのと「敵に気づかれないように動くことを妨げる」のを何より彼は嫌がった。
彼の防具の薄さを見かねたのか、彼の幾度目かのオカワル様への祈りの際、オカワル様が彼に光る鎖かたびらを下さったものの、それは鎧のたぐい。なので彼はそれを一応は着けてみたが、すぐに外してその辺に放り投げた。


そんななか、彼の前に立ちふさがったのは何か危険な感じがする植物。
その危険な感じは当たった。


その植物は酸を放射するオクロブ草だった。そしてその植物は彼めがけて酸を吐き出す。あの速度の酸のしぶきを避けるのは困難。


酸で焼け爛れる彼。このまま酸を浴び続けると危険。
さりとて、距離を取っても戦っても酸は飛んでくる。
軍神オカワル様から腕力強化の能力を借りて、やったらめったらダガーを振り回す。
本来ダガーではたいした打撃が与えられないのだが、腕力強化による斬撃は武器がダガーといえどそれなりの打撃力をもたらし、あの植物はだんだんと切り払われていく。


それでも、あの植物に何度も酸を吐くチャンスを与えてしまう。
あの植物をなんとか完全に切り払えたが、その間に何度か酸のしぶきを浴びてしまった。


酸のしぶきによる、彼自身の損傷は休むことで解決するものの、彼の防具の損傷は休むことでは解決しない。


…ただでさえ薄い防具が傷んでさらに薄くなってしまった…


【淵でもがく小さきものよ……】
<第11話:死にたくなければ必死こいてかわすしかないのさ>