Dungeon Crawl
何もないところから、忍び寄る殺意
人はそれを、見えざる恐怖。と呼ぶ
謎の見えない敵に襲撃され、必死になって逃げまとうホビット。
見えない相手には、さすがの彼も対処のしようがなく、ひたすら逃げまとうしかない。
奴は不意に現れる。そして鋭く鈍い打撃を与える。奴の姿は見えない。
どこにいるのかもわからない。いることと、彼を殺す気でいるということ、だけはたしか。
逃げた。
しかし、また別のが、いる。
逃げた。
のに、あそこにも、いる。
逃げた。
その恐怖は野放しにするしかない。
そして、それらは全て、野放しの暗殺者と化すのだ。
いまだ対処手段のない中、彼は、この奇怪な恐怖のいる区域に立ち入らず。
また、新たな恐怖に襲撃されないことを祈りながら探索を進めるしかなかった。
【淵でもがく小さきものよ……】
<第13話:見えざる恐怖の恐怖>