ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

Dungeon Crawl   

 

 ダンジョン地下16F。便宜上そう呼ばれる場所にその砦が築かれていた。


 その砦がどのような目的で建てられているのかはわからない。
 いくつかの宝が祭られており、それを守るように、オークの族長が配下を率いて自らが先頭に立ち、
 中では魔術師や司祭らがやはり配下を従えて待ち構えている。その間には不用意な侵入者を突き刺す罠。


ホビットは、それが砦であることに最初気づかなかった。オークの族長とその配下が見えたのみ。
オークの族長は本来ならば、オークとは思えないすさまじい肉体を誇りその肉体でもって、武器を強烈に振りかざす。その力で、オーク族の集団をまとめているのだ。
だが、彼は、それをあっさりと、透明になってまとめて暗殺して進む、とクロスボウの矢が頭に突き刺さった。罠だ。


その罠の仕掛けられ方に何かを感じ取る彼。進むと、前と左と右に扉が1つずつ。3つ手に別れているのだ。とりあえず右に進むと広間があり、オークの魔術師や司祭が行く手を阻む。が、今の彼にとってはたいした脅威ではなく蹴散らされる。
オークを蹴散らした広間からは左側に扉が見える。そこを開けるとまた広間が、そこにはいくつかのお宝が収められていた。
ということは、この砦は、トライデントの先のような構造をしており、左側と中央の部屋も同様に奥にはお宝が収められているという想像がつく。


次に左側に進む彼。右側と同じように、オークの魔術師や司祭が待ち構えている。
今の彼にはたいした脅威ではない。はずだった…


【淵でもがく小さきものよ……】
<第15話:砦が落ちていく過程とともに>