ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

Dungeon Crawl   


地獄
おどろおどろしい世界への入り口がそのダンジョン内にあったのだ。


ダンジョン20階にもなると、相当周りの雰囲気が違う。
そこには、異世界への入り口が大口をあけて飲み込むような感触がわずかに漂う。


その入り口は大広間だった。妙な感覚を感じる。地獄へようこそ♪


そこには、角笛を持った番人がいた。
無論友好的ではなく、角笛を吹いて悪魔を呼ぶ。
そのホビットを囲み殺そうとしているのだ。


そんな番人に対し、そのホビットは、地獄とダンジョンの境目に立った。そこでダンジョンに向けて走り上る。
ついてくる番人。そこで番人は気づく。体よく地獄の入り口から引きずり出されたことに。
だが無論、そんなことで奴が動揺するはずもなく、角笛の音色から悪魔を呼び出しつつ彼に攻撃を加える。


もっとも、番人を体よく引きずり出すほどの者はそれ以上に強く、地獄の入り口の番人は結局、そのホビットによって倒され、角笛は彼の元に渡ったのであった。


そういえば彼が地獄から出た時にはこんなメッセージが流れた。
「地獄への滞在まことにありがとうございました。すぐにまたお越しください」


彼は奥のほうをよく見ていないが、おそらくは
2度と行きたくなくなる場所なんだろう。という推測がついた。


【淵でもがく小さきものよ……】

<第35話:地獄から引きずり出された番人>