ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

Dungeon Crawl   


 どこかから大きな鎌が振り回される音がする。どこかからはわからないが
 大きな鎌による斬撃であることは確か。
 そしてなすすべもなく切り裂かれるホビット


……そこでテレポートが発動する。


彼が危険を感じて逃げるためにテレポートの巻物を読んだのだ。これで逃げられたはず…


テレポートによる位置を確認する。しかし…さっきいた場所とあまり変わらない!


戦慄。大きな鎌を持った人間が現れた。急いで怪我の治療の薬を飲む。
この薬、ちょっと前までは何の薬なのかさえわからなかった怪しい物なのだが、もちろんそんなことは今は気にもかけない。


近寄ってくる大鎌の人間。毒吹き矢を撃つ音。毒の効果があった手ごたえ。再び姿を消す大鎌の人間。必死に逃げ出す小さき人。それを追っかけるように飛んでいく炎…


彼はなるべくその姿を消した大鎌の人間の近くから射線が通らないように逃げたが、おそらく走っても逃げられる相手でもない。相手はこちらと同じ速度で走れるのだ。


そのとき、かすかな音。金物が落ちた音か?敵をしとめた感覚。あいつをしとめれたのか?
少し逃げてきた方向へ戻ると、大きな鎌とローブ、それと人間の死体が転がっていた。


ローブは今までのものよりちょっと良い気がする。その良いという感覚が間違いで呪いの品である可能性もあるのだが…
軽率なことであるが生き延びるためには試してみることも必要だろう。
今までのローブ(+1)から着替えると、このローブはそれより少し良い品であることが判明した。ローブ(+2)と。


大鎌は、……皮肉なことに彼には大きすぎてとても振り回せる物ではないのだった。


【淵でもがく小さきものよ……】
<第3話:デスサイズ&デッドリー&ランアウェイ>