ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

Dungeon Crawl   


 獣の棲み家の入り口で荷物を整理している、疲労の汗濃い一人のホビット
 食料ももうあまりなく、指には滋養の指輪をはめている。


オーガよりもさらに巨大な丘ジャイアント。
巨大な尻尾の破片を飛ばしてくるマンティコア
さらに、カタカタと重武器を苦もなく振り回すうえに彼の現在の最終兵器『掠奪のワンド』も効かない骸骨戦士。


そのどれもが、彼にとって危険極まりない強敵。
そのどれもが、彼の忍び歩きを察知して襲い掛かってきた。
なかには、彼が接近して不意打ちの致命傷を浴びせる直前に気づいて強烈な一撃を浴びせる者も。


戦う。逃げる。戦う。死にかける。逃げる。逃げる。
そうこうしているうちに、だんだんと物資が乏しくなっていく。
アイテムはどんどん生き残るために使うため減っていく。強敵のいるところからは逃げているためにそこの新たなアイテムは拾えないのだ。
お金も、透明化の代償で突然変異したのを治す薬を買うのに使ったのであまりない。


物資が乏しくなっていく中、敵は容赦はない。決死の覚悟で突き進む彼。
そんなギリギリの中、彼は獣の棲み家を見つける。


しかし、そこはアイテムを拾って使う敵がいないだけで、彼にとっての安息の地というわけではない。


【淵でもがく小さきものよ……】
<第9話:必死の逃避行、命からがらの到着>