ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

Dungeon Crawl   


ゾットの領域を潜るホビット
彼の前を阻む敵を手早く、時にはかなりの時間短剣で削り合いをしながら片付け、進む。
ゾットの領域にも普通にアイテムが落ちているし、階段は普通に上の階と下の階を繋ぐ。そういう意味では結局は普通のダンジョンと変わらない。


階段を2つほど降りたフロアに流れていた溶岩流には少し閉口したものの、とりたてて支障もなく。
さらに階段をさらに2つ降りる。


降りた先。彼は気づく。そこは、魔力が込められ、空間がわずかに歪んでいた。
このわずかな歪みは、テレポートの制御を行えなくなるにしては十分な歪みであった。
明らかに何かがある。そんな歪みであった。


彼は魔法の地図の巻物を読み、このフロアの全貌を把握する。
やはりあった。このフロアには、フロアの上側半分を占める大きな遺跡がある。
あることはほぼ間違いないと確信していた彼はその遺跡の地理を分析する。
その遺跡のような場所は、上側の左中右、下側の左中右と、6つの大広間で構成されている。
まず下中央の入り口から入る大広間。そしてそこから左右に二手に分かれて短い廊下で下側の左右の大広間に繋がる。
そのどちらも上側の左右の大広間に繋がっており、さらに、左上と右上から繋がった上側中央の広間。
この広間だけ6つの広間の中ではやや小さい。
そして気づく。下の階段がない。ここが最下層だ。


間違いない!★ゾットのオーブ、は、ここにある!


【淵でもがく小さきものよ……】

<第42話:かすかな歪みは最後の兆し>