ドヤジのメモ帳

ドヤジのメモ帳

ボードゲーム:「新電力会社デラックス」

私が結構好きなボードゲーム「電力会社」が10周年記念でリニューアルされて帰ってきた。
前のバージョン*1持ってるから別にいらないなーって思ってたものの、
完全新規マップになるのみならず、発電所カードもリニューアルされるということで
ついうっかり定価で買ってしまったのでした。以下レビュー。


発電所について
発電所が完全リニューアル。
前バージョンでは石炭、石油、石炭/石油共用、廃棄物、原子力、エコ。だったところ、
石炭、天然ガス天然ガス/石油共用、原子力、エコになりました。
区分けが変わったおかげで、前のバージョンと互換性がありません。
なお、エコの最終段階発電所は夢の核融合発電所という扱いで特別なイラストでしたが、
遠い未来の話で現実を見ましょうということなのか、削除されてました。


肝心の発電所バランスですが、以前よりも丸くなり、
明らかに弱すぎ、強すぎって発電所はなくなりました。
初期発電所が基本価格15以下のランダムになり、
序盤の競りパターンがそれなりに変化富むように。
そして、基本価格15以下とそれより大きい発電所で山札の色が視認できるようになり、
山札狙いの外れをある程度回避できるようになりました。
なお、最大出力である出力7の発電所が2つしかないので
以前よりも良燃費の中堅発電所を最後まで使い倒して勝つパターンは難しくなりました。
さらに、前バージョンのエコ発電は後半出力低すぎて使い物になりませんでしたが、今回は多少使えるように。
また、原子力は出力7の発電所がなく、基本的に高価格悪燃費低出力
(後半使える発電所が少ない分後半は確実に良燃費発電所になる)でしたが、
今回は数少ない出力7発電所の一つになり、使い勝手が向上しています
(そのかわり出力7発電所は燃料消費2になっています。発電所数が少なめなので良燃費になりやすそうですが。)


・マップについて
発電所のリニューアルに応じて、燃料供給表、燃料価格表もリニューアル。
燃料供給表は以前よりダイナミックに変化するようになり、
燃料価格表は各燃料ごとに燃料コマを置くスペースの数がかなり違うようになりました。
よって、こちらも前バージョンと互換性がありません。
ちなみに、燃料の初期価格も変更されており、
石炭が価格2から始まり、序盤高いウランでも価格8か9になり、
序盤の石炭買占めがうまくなくなったほか、
燃料価格のせいで序盤1人独占でも多すぎで見向きもされないってことも減りました。


マップはアメリカマップとヨーロッパマップ。完全新規。
なぜかエリアが7つに増えています。
ただし、使うエリアは人数分のみなので(6人時のみ5人)、
結局いつも通りどのエリアを選ぶかでバランスは全然変わります(笑)


なお、アメリカマップとヨーロッパマップでわずかに競りルールに変更があり。
アメリカマップでは競り開始時点で最安値の発電所の初期競り価格がさらに安い発電所が出ない限り
発電所番号ではなく"1"になり、それでも買わなければ捨て札。
ヨーロッパマップでは、将来のマーケットが第一ステップに限り4列ではなく5列に。
これにより、以前と違った展開がありそうです。


・その他コンポーネントについて
燃料トークン、発電網トークンの形が変更。
燃料トークンは形が特徴的になり視認性が良くなりました。
ただ、お金がお札からチップに変更。これが視認性が悪くとてもチープでイマイチ。
そういえば、2人用ルールに拡張ルールが入っていますが、
このゲームは根本設計上、2人で遊ぶのはお勧めしません(笑)


・総評
基本要素は変わっていませんが、前のバージョンよりもバランスが丸くなり、
見向きされない発電所・強すぎる発電所がなくなり、
以前より、発電所競りのパターンが多岐に富むようになった点は良いです。
…ですが、前のバージョンで出ていた拡張マップ・拡張発電所と互換性がなく、
デラックスという名前の割にコンポーネントが前のバージョンと比べてもチープなので、
前バージョンより2千円以上出してこっちを買う価値は今のところ認められないです。


コンポーネントが10周年記念に相応しい出来で、前バージョンとの互換性サポートがあれば、
バランス面からお勧めできたのですが。

*1:なお、前のバージョンは2版らしい。1版は電力網をクレヨンで引く画期的な作品で、自分はやったことがないしとても入手困難。